法制審答申後24年、変わったことは・・・

選択的夫婦別姓に関する法制審答申(1996年)が出て24年。すぐにでも民法改正があるかと思われたけれど、実現せずに2020年。この間何が変わったんだろう。

必要性の多様化だと思います。

選択的夫婦別姓を求める理由としてよく挙げられるものに、

1,名前はアイデンティティ

2,仕事、研究で名前の同一性が必要

3,家族の名前を絶やしたくない

4,再婚時にこどもの姓を変えたくない

5,婚姻前に社会的基盤ができているので、改姓によってそれらの名義等を全部変更するのがあまりにも大変

などがあります。

ものすごくざっくりした「感想」程度の表現で申し訳ないのですが、法制審答申のあった1996年頃には、男女平等の実現が選択的夫婦別姓を実現すること(つまり理由からすると1と2)の目的の柱のような感じがあったように思います。

その頃以降、働く女性の増加や女性の社会的活動の活発化、離婚の増加、婚姻年齢の上昇、少子化、などに伴って、別姓を求める声は多様化し、特に3,4,5の理由はこれらの変化によってより顕著に増えているように見え、社会システム改正の必要性を高めるものになっています。

5の理由、「改姓は諸々の手続が『めんどい』から名前をそのまま変えずにいたい」、も今や大きな理由の一つかと思います。今の「めんどい」は24年前の「めんどい」とは桁違いに手続にかかる手間暇費用増えてのめんどいです。24年前にはこれはあまり主張されていなかったのではないでしょうか。「めんどい」を避けることを「結婚にあたっての自覚が足りない」とかいう理由で同姓を強制できるでしょうか、といえるところまで来た、という感触は変化を実感する基になります。

他の理由として、

6,国際結婚と比較、海外結婚の海外登録との齟齬を回避する。

一方が日本人の国際結婚では今でも選択的夫婦別姓であって日本人同士と異なる扱いになっています。海外で結婚成立した日本人同士の別姓夫婦が日本の戸籍上夫婦と認められないのはなぜ?など国際結婚や海外で活動する人の増加によって起こる問題もあります。

そうした問題が浮上,増大,言えるようになったことが24年で起こってきている変化だと思います。

法制審答申後24年、法改正が必要な理由が変わったわけではないけれど、上記の社会的状況の著しい変化を背景として、3以下の理由の重みが増し、多様化があったと見えるのです。実際、現在係争中の「別姓訴訟」4種類、それぞれ理由が違います。

選択的夫婦別姓は社会が選択的夫婦別姓を許容するものであるかどうかという寛容性の試金石であって、これ自体は多分以前からずっと変わらないことですが、それによって男女平等を目指すという意味合いだけではなく、他の意味合いが大きくなっていると思います。

第9回 個個からカフェ@広島 ご案内

第9回 個個からカフェ@広島

☆不安なく違っていられる社会への一歩☆

個個からカフェ@広島、もう第9回になります。@東京も始まりました。別姓訴訟共々、どうぞよろしくお願いします。

今回はこれまでとちょっと雰囲気を変えて、映画の中の<かっこいい>女性の姿に触れてみます。

映画に描かれる女性たちの姿から

あなたは何を感じますか

結婚するなら名前を同じにしなさいと

名前も生き方も 強制されるのは イヤだ

パートナーも わたしも これから育っていく子どもたちも

大切にしたいと

別姓訴訟応援団は考えます。

と き 3月7日(土)15:30~17:00

ところ ハチドリ舎 広島市中区土橋2-43 光花ビル201

映画の紹介とおはなし 三浦ひろみさん(映画コメンテーター):RCCラジオ「おひるーな」映画紹介、FMはつかいち「ひろみのマイ・フェア・レディ」で二・四木曜日の18時半から映画や絵本の紹介、くれえばんにシネマのコラム連載、広島テレビのピッピの声などでおなじみ。夢は外国映画の吹き替えで、オードリーヘップバーンの声でも知られる池田昌子さんを尊敬している。被爆体験記朗読ボランティアも。

要申込み 参加費 500 円(ワンドリンクつき)このページのメッセージからご連絡ください。

*次回は6月28日(日) 16:30より 権鉉基(こん・ひょんぎ)さんのお話しです。