詳細なご検討ありがとうございました。私の表現が不正確だったかもと思います。ご指摘に感謝してこれからは正確な表現を心がけようと思っております。・・・ですが、毎日家族から「何をふわふわといい加減なこと言ってんの⁉」と指摘されるような人間である事は一朝一夕では変わることはなさそうで、努力目標にする程度で許してください。
別姓 希望さんのおっしゃること、認識には基本的に誤りはないと思います。
なのですが、「よって、IZUMIさんの『ニーズが多様化したから、訴訟の争点が多様化した』とは何を指すのでしょうか?」に対しては、最初に言ったのは「24年前と状況が変わっている。」で、その変わったことは「必要性の多様化」。で、「社会的状況の著しい変化を背景として、3以下の理由(名前はアイデンティティ、社会生活での姓の一貫性の必要以外の理由)の重みが増し、多様化があったと見える」だったのでは・・・。「IZUMIさんの『ニーズが多様化したから、訴訟の争点が多様化した』」という表現では言っていないような気がするのですが。もしどこかでそう言っていれば、それは私としてもちょっと違うような気がするので撤回します。変化した「必要性の多様化」は、更に言い換えれば、
「元々あった多様なニーズが表面化して、訴訟の争点の多様化と共に選択的夫婦別姓を求める多様な声の『見える化』に繋がっている。」ということですね。項目としてのニーズの種類は以前から同じようにあったけれど、それぞれの声の大きさ多さが変わってきているということです。
鶏が先か卵が先か。もっと声を上げていいよ、と#MeeTooのように別姓に関しても背中を押す声も大きくなって声を上げやすくなったからか、多様なニーズの声が増えたからか(ニーズの一部は増加しているとはっきりしているものもあり、一部は推測のみですが)あちこちからいろんな声が上がっています。
この、声の上げやすさ、いろんな状況の人たちの存在の増加、について、以下「法制審答申後24年、変わったことは・・・」に重複しますが、
・めんどいからシステムを変えろ、みたいな言い方は以前はしにくかったのではないかと・・・これは単純に思っています。今は面倒さが半端なくなっているという変化も、面倒なシステムは面倒さを減らすように変更できる物はすればいいとなってきているというのもあるかも、とふわふわした感想。
・たぶん、国際結婚の増加は著しくて身の回りに選択的夫婦別姓の国際結婚カップルがいくらでもいるようになって彼/彼女らのすでに選択的夫婦別姓である姿を身近に見るようになりました。再婚時のこどもの姓の話しはあったかもしれませんが、少なかっただろうし、離再婚への偏見もあり、以前は声さえ上げづらい状況はありました。離再婚数は増えているので、そう特別なことでなくなったと共に出しやすくなっているので、子連れ離再婚で夫婦別姓を望む人の数の変化について数の根拠はありませんが、増えているのではないかと推察します。海外で働く事も、そう特別なことではなくなっています。確認訴訟のようなケース(海外で働く日本人同士が海外で別姓結婚)も普通にあり得る事になりました。
・実家の姓を名乗りたい層、については数の増加があるかどうかは根拠はありません。が、たぶん少子化に伴ってニーズは切実になっているのでは?残したい「姓」の夫婦が夫婦のこどもでない男の子を養子縁組する形や、娘が妻氏婚といった今まで行われてきた方法が少子化の前には無効になってきている可能性はあり、選択的夫婦別姓でよりシンプルに両方の姓を繋ぐことができるので希望者数が増えているかもしれません。
そして、「声を出しやすくなっている」のもありそうです。法制審答申にいたる頃には、戦後日本国憲法制定、男女平等、女性差別撤廃条約制定批准、と民主化や女性差別撤廃の流れが強くあったなかで語られることが多かった夫婦別姓、「姓」を残すという声は出しずらかったと推測されます。「姓」を残す、ということが旧憲法と共に廃止された「家制度」と重なる部分があるので大きな声になっていなかったように思えるのです。しかし、保守右派の政権という政治状況の背景もあり、姓を残したい声を出しやすくなっているかもしれないし、夫婦別姓の必要を理解する層を拡げる効果もあるかもしれない。気をつけたいのは、政治状況はただ背景であって、夫婦の姓がどちらも続く事を希望する人は政治的信条からそう希望しているとレッテルを貼ることは、名前を変えたくないと言っている人が政治的信条からそう言っているとレッテルを貼ることと同じように無意味なことだし、実際違っている、ということだと思います。
1月28日の別姓 希望さんのtweet、「ついでにいえば、跡取り娘でもない私が、姉妹の会
に期待するのは『あの会なら、与野党に合理的決断を迫れるバランスを持っている』と感じたからです。議員立法を望むって、そーゆー事だろ。と。正直、当事者性を強く打ち出す方々は、訴訟頑張って。と考えています(批判ではない)」に同感です。今の4つの訴訟が全て敗訴して、まだ国会が動かなければ、姉妹の会に次の訴訟を起こしてもらいたい、訴訟が起こされたらそれを支援したいと思ったりします。
・そして、SNSがこれだけ広がって、世界中どこからでもいつでも、「私の思い」を「嫌だ」とか「辛い」とか「めんどい」とかも含めて一つ一つの声として発信し、それを受け止める場があっていろんな声が見えるようになっています。
・そして晩婚化や女性の就業率の増加は言うまでもありません。
こうした社会状況の変化で、今、多様なニーズに対応する選択的夫婦別姓への法改正の議論がこれだけ現実的になっているのだと思います。わたくしてきには24年前法制審答申時点で現実になっててもよかったと思うのですけれどね。
さいごに、これでご質問にお答えできているかどうか分かりません。まだまだ言葉不足や私の認識の間違いや、あると思います。何かありましたらまた、ご質問ください。ツッコミを入れてください。「教えてください」を、我が儘とおっしゃることは不要です(あ、すくなくともわたしにとっては)。「あなたのいうここんところが分かりません、(説明責任はあなたにあります)説明してもらえませんか。」はすごく大事なことだと思っています。
もう一つ、私は選択的夫婦別姓の法制化を求めています。
第2次別姓訴訟団(私もその一部ですが)の「二次弁護団の『複数形戦法』」と思いは同じです。「二次訴訟の弁護団が狙う『今回はあえて地理的・法的争点を複数にすることで、一次訴訟とは違う流れを作る』空気」にのって、私もtweetしています。