内閣府の世論調査、設問がなんか変なんですけど

内閣府の夫婦別姓に関する世論調査、設問がなんか変なんですけど、変だ変だって言ってるの私だけ??

2020年2月4日安倍首相は衆議院予算委員会での立憲民主党の大河原雅子議員の質問への答弁(10:15 大河原雅子立憲民主党議員質問)で世論調査結果を根拠に、改めて法改正に後ろ向きな姿勢を示した。

言及された内閣府の調査、質問文が一部紛らわしくて、これが言及される度にもやもやする。

どこが紛らわしいかというと、

(ア)反対、(イ)賛成、分からない、の他「(ウ)夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字を名乗るべきだが、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない」の項目が賛否に分けがたいのだ。

首相は「夫婦は同じ名字を名乗るべき」は過半数(法改正反対29.3%とウ24.4%を合計すると53.7%)なので法改正には慎重、と言われていたが、「法律を改めることは、かまわない」をみれば66.9%になる。現在進められている旧姓併記は「どこでも使える通称」でなく、これをもっても(ウ)が法改正をせず現状維持とする根拠にはなりがたい。改正法案を選ぶ質問のようでもあり、それなら(ウ)の割合を他の答えと合計してはいけない。法改正可否を語るときこうした紛らわしい合算は根拠とはできまい。

この紛らわしい数字の使い方は首相だけではなく、以前法相も記者会見でこのような発言をしていたので、みんなで共有している世論調査解釈法なのだろう。

5年毎の調査ということなのでもし次回24年に実施されるのであれば、賛否を問うのと改正案を選ぶ質問を別立てにするなり、項目の見直しを要するのではないだろうか。

注:

内閣は、1996年から約5年ごとに「家族の法制に関する世論調査」を実施し、これまで、1996年、2001年、2006年、2012年、2017年に選択的夫婦別姓制度についての世論調査を行っています。

この調査で、選択的夫婦別氏制の導入に対する考え方を詳しく聞いているのだけれど、その(9)選択的夫婦別氏制度、のなかのQ10 が選択的夫婦別氏制度についての質問。質問の文言は、

10  現在は、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗らなければならないことになっていますが、「現行制度と同じように夫婦が同じ名字(姓)を名乗ることのほか、夫婦が希望する場合には、同じ名字(姓)ではなく、それぞれの婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めた方がよい。」という意見があります。このような意見について、あなたはどのように思いますか。次の中から1つだけお答えください。

(ア)婚姻をする以上、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり、現在の法律を改める必要はない(29.3%)

(イ)夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない(42.5%)

(ウ)夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない(24.4%)

(エ)わからない

(質問の後のかっこ内は回答者の割合)

上のように変なところがあるので、この選択的夫婦別姓に反対か賛成かを読むとき、以下の評価が成り立つ。

1、選択的夫婦別姓に(あ:い)   反対 29.3 賛成 42.5

2、法改正に賛成(あ:い+う)   反対 29.3 賛成 66.9

3,別姓使用に(あ:い+う)    反対 29.3 賛成 66.9

4,戸籍別姓可(あ+う:い)    反対 53.7 賛成 42.3

このようにどうにでも読めるような項目、おかしくないですか。

この私の世論調査の読み方間違っていますか。